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マテ茶とは? |
マテ茶はチャ(緑茶、紅茶)、コーヒーと並んで世界の3大飲料の1つと言われ、他の2つの茶に
比べて独特の成分を持ち欧米諸国では日常的に愛飲されています。
アルゼンチン、パラグァイ、ブラジルの国境近くを流れる世界七大河川の一つであるパラナ川の
流域、特に有名なイグアスの滝の周辺に自生しているモチノキ科の常緑樹で、簡単に言うとその
葉を干して粉砕にしたものがマテ茶となります。
現地の人たちは、これに湯(暑い時期には湯冷まし)に浸してストローなどで飲みます。独特の
香気と雰囲気を醸しミステリアスなお茶と言われています。
マテの樹の生育する地域はテーラーロシア層と言う玄武岩の風化した赤土で鉄分が非常に多
く含まれ30年間肥料なしでも作物が育つと言われる肥沃な土壌です。野生の潅木は12m以上に
生育しますが人工栽培では約3mぐらいの高さに剪定されています。
インディオの昔から南米は薬草の宝庫で特にマテ茶は日常生活に欠かせない必須の飲料であ
りました。 |
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マテ茶の歴史
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南米でインカの昔からインディオ達に飲みつずけられてきたマテ茶は、その後スペイン、ポルトガ
ルからの入植者にも普及し、徐々に欧米人にも拡がりを見せたのです。この葉が緩慢な刺激作用
と利尿効果のあることが認められ薬用としても利用されるようになりました。
16世紀に入ってキリスト教伝道のため南米に渡った宣教師によって人工栽培が始まり、それまで
野生のマテを使っていたインディオ達にも人工栽培が普及し、一部は商業化され更に大きく普及す
る事となったのです。ブラジル、パラグァイ、アルゼンチンと栽培の規模も拡大し、太古の昔から伝わ
るインディオの活力飲料から嗜好飲料として広く愛飲されるようになりました。
16世紀、スペイン人に追われたインカ帝国の兵士達がマテ茶を噛みながら1年以上も荒地に潜ん
で生存ていたと言う話もあります。生野菜を食べず,澱粉(マンジョカ、マイス)だけに頼っている南
米各地のインディオ達は昔からマテ茶を不老長寿の薬として常用しており、大草原(バンバ)に牛の
群れを追って生活するガウチョ達は栄養不足を補う活力供給源としてマテ茶は必携のものだったの
です。
第2次大戦中、米軍野戦病院の携帯食糧のなかにマテ茶が入っていたことも知られています。
またサッカーのマラドウナ選手が大のマテ茶の愛飲者である事もよく知られているところです。
このように、マテ茶は古代から現代まで薬用として嗜好品として南米を中心に広く欧米を始め、東洋
・日本でもその愛好者は増え続けています。 |
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マテの成分と薬効 |
マテ茶は成分分析表データが示すように他の茶とは違った独特の成分を持ち、更にアルカリ度の
極めて高い健康飲料であります
各種のお茶に含まれる成分表 |
成分
品種 |
鉄分
(mg) |
カルシウム
(mg) |
カフェイン
(%) |
ビタミンC
(mg) |
植物繊維
(%) |
葉緑素
(%) |
アルカリ度
(%) |
マテ茶 |
50〜150 |
580〜1100 |
0.6〜1 |
32 |
10.0 |
6.2 |
110 |
ウーロン茶 |
32.4 |
310 |
2.4 |
8 |
12.4 |
- |
50 |
緑 茶 |
20.0 |
440
|
2.3 |
250 |
10.6 |
2.2 |
51 |
コーヒー |
4.2 |
120 |
1.3 |
0 |
9.0 |
1.3 |
- |
紅 茶 |
17.4 |
470 |
2.7 |
0 |
10.9 |
1.8 |
- |
茶葉100g当り成分分析表(日本食品成分表より) |
マテ茶は成分分析表のデータが示すように大変価値の高い健康飲料です。又アルカリ性飲料とし
ても身体に有効な飲料と言えます。
1. マテ茶は緑茶、紅茶に比べてカフェインが少なく、睡眠を阻害しない。子供の飲料としても適して
いる。
2. 緑茶、ウーロン茶より鉄分・カルシュウムなどミネラル分が豊富で、日本女性の不足がちな鉄分
・カルシュウムの補給には最適飲料です。
3. ビタミンA〜C、とくにBは。多量に含まれています
4. 葉緑素の含有量は他の茶類に比べて高い。
5. パントテン酸の含有量も豊富です。
6. マテ茶の中に含まれるマテインと言うアルカロイドと多量の葉緑素がマテ茶の効力を高める要因
と考えられています。
又マテ茶の成分の中で重要なものの一つに糖度(0.5%)が高い事です。烏龍茶(0.2%)の倍,緑茶
(0.03%)の10倍に相当します。それゆえに自然の甘味が心地よく口に残るのです。
ブエノスアイレス大学のウーサイ博士(ノーベル医学賞受賞者)のマテ茶の薬効に関する報告によ
ると以下のように記されています。
1. 鉄分が多く造血作用を助ける。
2. ナトリュウム分が少なく血圧、心臓病患者に良い。血圧降下作用がある。
3. ビタミンAが多く肌を美しくし、眼に良い。
4. カフェインと共にマテの1%を構成するコリンは肝肥大を防止する。従って南米の人には肝硬変が
少ない。
5. 胃酸の分泌、胆汁の分泌、膵液の分泌を刺激し消化器系の活性を助長する。
6. 利尿効果があり腎機能を活性化する。
7. 酸化酵素を通して腸内の還元物質を酸化し腐敗を防ぐ。
8. グリコーゲンを製造し血中の酸を減少させる臨床例も多く疲労を回復させる。
等々、大昔からアンデスのインディオが無医村の状況の中で健康に生活でき今日まで飲み続けら
れてきた所以が此処のあると言えます。
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